監督コメント

Director comment

監督メッセージ

私はずっと音楽が大好きだった。私のおじはウッドストックに行ったことがあり、ドラムを演奏し、素晴らしいレコードのコレクションを持っていた。子供の頃の私はおじのおかげでザ・ビートルズやストーンズ、レッド・ツェッペリン、ドアーズ、ザ・フー、ザ・バンドに夢中になった。おじにもらったレコードでお気に入りだったのが、ザ・ローリング・ストーンズの『ラヴ・ユー・ライヴ』だ。中でも「マニッシュ・ボーイ」という曲が特に好きだった。その後おじは私に、ザ・バンドのフェアウェル・コンサートを収めたマーティン・スコセッシ監督の映画『ラスト・ワルツ』を見せてくれて、私はそこで初めてマディ・ウォーターズを目にした。彼はザ・ローリング・ストーンズの「マニッシュ・ボーイ」を演奏していた。「マニッシュ・ボーイ」はマディ・ウォーターズのスタンダード曲で、ブルースだったと知って驚いたが彼の歌に夢中になった。それ以来私は、自分の好きな音楽にブルースが与えた影響や、豊かなブルースの歴史と神話に魅せられ続けてきた。初の長編映画「The Perfect Age of Rock ‘n’ Roll」を作る機会に恵まれた際、ロックとブルースの繫がりは不可欠なテーマとなった。その結果、偉大なマディ・ウォーターズとハウリン・ウルフのサイドマンたちをカメオ出演させたいと思うに至った。ありがたいことにそれが実現し、私はセット上で初めてパイントップ・パーキンスとヒューバート・サムリン、ウィリー・“ビッグ・アイズ”・スミスに対面した。

撮影中、三人から数々の驚くべきストーリーを聞いた私は、この人物たち、そして彼らもその一部である音楽史の軌跡を称える映画を作りたいと思った。最初の構想は、偉大なブルース・ミュージシャンである彼らを中心的なバンドとして据え、私が子供の頃から大好きだったブルースの名曲をカバーし、伝説的ロック/ブルース界のスターたちと組ませることに重点を置いた『ラスト・ワルツ』スタイルのコンサート映画を撮ることだった。だが、運命のいたずらで完成したのがこの『サイドマン:スターを輝かせた男たち』である。私達の作った映画が、尊敬すべき偉大なミュージシャンである彼らと、彼らが共演したバンドリーダーたち、そして彼らが遺した大いなる業績と多大な功績を十二分に伝承できるものになっていることを願うばかりだ。

スコット・ローゼンバウム

中央下が監督

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