作品紹介

INTRODUCTION

伝説的スター、マディ・ウォーターズとハウリン・ウルフ。
ステージ上にはいつも、彼らを照らし続ける男たちの存在があった―

ビッグ・アーティストの素晴らしい音楽は、それを支えてきた寡黙なサイドマンの働きを抜きにして語ることはできない。
本作は、歴史を作り上げた3人のサイドマンのドラマティックな音楽人生を描いたドキュメンタリー。
彼らの素晴らしさやブルースの魅力について、キース・リチャーズ、エリック・クラプトン、ジョニー・ウィンター、ボニー・レイット、ジョー・ペリーほか、音楽業界の第一線を彩る多数のミュージシャンが語る。
2011年にこの世を去った三人の亡くなる前のインタビュー、そして最後の共演となった貴重なステージ映像も収録。
ブルース・ファン、ロック・ファンのみならず、すべての音楽愛好家に捧げる至極のドキュメンタリー。

エルヴィス・プレリーにはスコティ・ムーアとビル・ブラックとD.J.フォンタナがいた。チャック・ベリーにはジョニー・ジョンソン、ローリング・ストーンズにはイアン・スチュワート。そしてジミ・ヘンドリックス(本作に登場する)にもノエル・レディング、ミッチ・ミッチェルがいた。そう、彼らはビッグ・アーティストの音楽をしっかりと支えるサポート・ミュージシャン、“サイドマン”なのだ。サイドマンの存在抜きにして大スター達の音楽の本質は語れない。

1950年代中期にアメリカで開花したロックンロール、その10年後に世界を制覇したブリテッシュ・ロック、この現代のロックのルーツはブルースだ。20世紀が生んだアメリカの文化、ブルースをアメリカ全土からイギリスへ、そして世界中に浸透させた巨人として忘れられないのがマディ・ウォーターズとハウリン・ウルフだ。二人は素晴らしい作品を次々に誕生させながら強烈なステージでファンを魅了した。そのレコーディングやライヴでマディをサポートしていたのがパイントップトップ・パーキースとウィリー“ビッグ・アイズ”スミス。そしてウルフのギタリストを務めたのがヒューバート・サムリン。本作はブルース界のサイドマンとして今日の音楽の基盤を築き上げた3人の足跡を見事に描いた音楽映画である。

(Notes by Mike Moshitani/越谷 政義)

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